「北の住まいるタウン」の3つの取組
まちづくりの課題は多岐にわたっているため、個々の課題に個別に対応するだけではなく、総合的・分野横断的に取り組むことが必要不可欠です。
道では、複合的な地域課題を地域資源の活用を通じて解決し、将来的に北海道が目指すまちの姿を「北の住まいるタウン」とし、その実現に向けて、効果的な3つの取組を各自治体と協力しながら推進しています。
コンパクトなまちづくり
集まって、住み暮らせるまちづくりのために
全国的にコンパクトなまちづくりが進められていますが、北海道は、特に暮らしの基盤となる集落や市街地が広域に分散しています。人口減少社会においては、財政状況の急激な伸びは期待できず、暮らしを支える担い手も限られてきます。
そこで、都市経営やエネルギー消費の効率化、生活機能の集約やネットワーク化により、持続可能なまちづくりを進めていくことが必要となります。
具体的な取組例としては、公共公益施設や生活利便施設等の都市機能を中心市街地に集約することで、まちなかの利便性を高める、公共公益施設や生活利便施設等の集約とあわせて居住エリアを適切に設定し、まちなかへの住み替え支援を行いゆるやかに誘導する、といった取組などがあげられます。
脱炭素化・資源循環
豊かな資源の地産地消のために
北海道には、太陽光、風力、雪氷冷熱、バイオマスなど、様々なエネルギーが地域の資源として豊富に存在しています。
これらのエネルギーを都市経営や農林水産業の経営に積極的に活用することで、省エネルギーや環境負荷低減を図るのみならず、外部へのエネルギー依存を必要としない、自立的で持続可能な地域経営が可能となります。
具体的な取組例としては、太陽、風、雪氷熱、地熱などの自然エネルギーを活用する、森林資源や畜産廃棄物・農業残さなどをエネルギーとして活用する、といった取組などがあげられます。
このような取組は低炭素化や資源循環にとどまらず、地域経済への貢献も期待されます。
例えば、地域の森林資源を、建築資材や木質バイオマスなどで地域利用することにより、地域の森林伐採や植林を行う林業、木材加工、製品の販売、素材や製品の運搬に携わる地域企業などに資金が還流するとともに、地域の有効需要を掘り起こし、雇用を創出するなど、地域経済の好循環を生み出すことが期待されます。
暮らしやすさの向上
安全に安心して共に暮らし続けるために
人口減少社会、少子高齢社会において、行政サービスは限られた財源の中で、本当に支援を必要としている地域住民へのセーフティーネットとしての機能を果たすことが求められます。
そのような状況で、日々の暮らしの安全・安心をつくり出すためには、地域住民、地域団体、民間事業者が相互に協力し、共に暮らすための取組を自立的に行うことが必要となります。
具体的な取組例としては、広域分散型の地域特性を踏まえ、地域毎の集約と、地域の拠点づくりを行ない、拠点同士を公共交通をはじめ様々な交通ネットワークでつなぎ、生活交通を確保する、過疎化が進行した地域などでは、買い物や通院、見守り支援、高齢者・障がい者・子どもを含めた健康づくりの支援、小さな生活圏の中の拠点において、支え合いの基盤となるコミュニティづくりの推進、といった取組などがあげられます。
ロゴマークに表現された
「北の住まいるタウン」
大きなハートの形の中に散りばめられている図形の一つ一つは「北の住まいるタウン」を構成する要素です。家が集まってコンパクトなまちを構成し、そこに暮らす人が寄り添い、お互いの生活を支え合う取組があふれ、脱炭素化・資源循環を取り入れたライフスタイルがある、私たちの思いを表現しています。