取組を考えるうえで大切な視点小さな成果から共感の輪を広げ、地域ぐるみで持続できる取組とする

地域ぐるみで話し合う機会をつくる

多くの知恵を集める100人会議

既存の組織や活動団体は、現在の活動で手いっぱいで、なかなか新しいことへチャレンジができないこともあります。

地域の課題解決のためには、ある特定の人たちだけに期待するのではなく、地域に眠っている、潜在的な人材の知恵や技術を掘り起こし、適材適所、役割分担しながら、地域ぐるみで取り組む機運づくりが大切です。

また、普段まちづくりに関わる機会が少ない人へ、自分の興味、趣味や特技、まちへの思いやアイデアを発信できるきっかけを提供することは、これまでにはなかった新たな取組へとつながっていく可能性も期待できます。

こうした、地域ぐるみの機運づくりや新たな発想による取組を生むための第一歩として、「100人会議」が有効な方法の1つです。

この会議を、単なるアイデア出しに終わらせないためにも、会議の企画から当日の運営までを他力本願ではなく、地域の有志が集まり、実行委員会などをつくり、主体的に進めることが大切です。その有志の皆さんは、100人会議の成果を実践へと移す際の重要な原動力になることが期待されます。

また、100人会議は、100人集めることそれ自体が主目的ではありませんが、まちづくりへの参加機会の少ない世代、地域の将来を担う小・中学生や高校生、地域をよく知る「地域のプロ」であるお年寄り、きめ細かいニーズを持った女性、新鮮な視点で地域を見ることができる地域外の人など、多様な立場の人にできる限り多く参加してもらうことで、話し合いの内容に広がりが生まれます。

100人会議の企画・運営のコツ

テーマを具体的に決める

抽象的、漠然としたテーマでは、話し合いが大変です。生活に密着した自分ごととして捉えられるテーマ設定が大切になります。また、テーマに関する資料やデータなど、参加者に事前に情報提供すると、より効果的な話し合いができます。

話し合いは小さなグループで

100人近くの参加者が、一堂に会し話し合うのは到底無理です。5〜7人のグループに分かれて話し合いましょう。

ファシリテーターは地域の方で

話し合いをまとめる力は、まちづくりにとって不可欠です。その人材を地域に増やすためにも、ファシリテーター(話し合いの進行役)は、できる限り地域の方が担いましょう。専門家の協力を得てファシリテーションの研修会を行うと効果的です。

当日の成果を見える化する

話し合いをまとめる力は、まちづくりにとって不可欠です。その人材を地域に増やすためにも、ファシリテーター(話し合いの進行役)は、できる限り地域の方が担いましょう。専門家の協力を得てファシリテーションの研修会を行うと効果的です。

100人会議の様子
話し合い結果を前に貼り出し、実現したいアイデアへシール投票を行う様子

話し合いの成果を多くの人と共有するオープンワークショップ

話し合いの成果を多くの人にお披露目し、何かが始まりそうな期待感を共有することが大切です。オープンワークショップは、有効な方法の1つです。

話し合いの機会になかなか参加することがない世代・立場の人たちの意向を把握する上でも、この方法は役立ちます。

具体的には、話し合いの成果をパネルに貼り出すなどして、多くの人が集まる場所やイベント時に展示し、お披露目します。

単に成果を紹介するだけではなく、ゆっくりくつろげるお茶飲みスペースを用意したり、追加で意見をもらう工夫をするなど、単なる見学ではなく、ちょっとした参加ができる工夫が効果的です。

市民祭りに合わせて開催したオープンワークショップの様子

お試し実践で成功体験を共有する

DCPAサイクルというもう1つのアプローチを知る

計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)といういわゆるPDCAサイクルは施策の実施における重要な考え方の1つです。

PDCAサイクルは、具体のアクションが見えない計画段階で「できるか・できないか」の議論になり、できない・やらない方向に流れてしまう側面があります。

一方、DCPA、つまり、実行から始めることで、取組が「見える形」で関係者間で共有され、実効性のある計画づくりにつながることが期待されます。

小さくても、目に見える実践で成功体験を関係者と共有する

本格的な実践の前に、試行的な実践(社会実験)を行うことも有効です。

その取組がニーズにあっているか、本格実践に向けた改善点は何かを検証できるだけではなく、関係者と成功体験を共有し、次の取組ステップへの積極性や団結力を高める効果も期待できます。

まちなかの遊休地を期間限定でくつろぎや交流の空間として活用した社会実験の様子

DCPA のポイント

DCPA の考え方による試行的な実践では、空間や物を対象にすることで、日常とは違った風景を見せることが効果的です。

DCPAのポイントを表した図。この図の直前に、図の内容を詳細に説明したテキストが配置されている。