はじめに

北海道が直面する課題

公共施設等の集約や効率的な土地利用による都市のコンパクト化

北海道は都市が広域に分散する構造を有しており、インフラの整備や維持管理、暮らしを支える様々なサービスの提供などの点において、財政的な負担も大きく、非効率的な状況と言えます。

都市の持続可能かつ効率的な運営という観点から、歩いて暮らせる身近な範囲に、公共施設や生活支援施設が集約したコンパクトなまちの形成が求められます。

そして、点在する暮らしの場、働く場(小さな生活圏)を交通ネットワークによりつなぐ多極分散型の都市像が1つのヒントになります。

地域産業の振興と働く場づくり

経済の成長段階から成熟段階へと移行した現在、北海道においては経済・雇用の低迷が続いています。一方で、北海道に魅力を感じた道外の人々が居住の地を求める機運の高まりもみられています。

地域で働きながら、地域の魅力を享受できる暮らし。そんな暮らしの実現を担う産業や雇用の振興が求められています。

コミュニティや暮らしの維持・継承

人口減少や少子高齢化、ライフスタイルの変化等により、地方の過疎化は今もなお、著しく進行しています。

長く親しんだ地域で暮らし続けるために、地域住民の支え合い、生活を支えるサービスや仕組みの維持・継承が求められています。

北海道の強み

優れた自然環境と高い食料自給力

太平洋、日本海、オホーツク海という3つの大海に囲まれ、大雪山系など雄大な山岳、北海道の面積の約7割を占める森林、釧路湿原に代表される広大な湿原、美しい風景を織りなす河川や湖沼といった水辺の環境など、四季折々で変化をみせる豊かな自然環境があります。

このような自然の恵みを背景に、北海道は、海や大地の新鮮で豊富な素材を生かした安全でおいしい魅力ある食の宝庫として、食料自給率が約200%で推移しているなど、我が国有数の食料供給基地となっています。

豊富なエネルギー資源

北海道の各地で、太陽光・風力・地熱・雪氷・森林・農業残さなどの新たなエネルギーの活用が進められています。

北海道の各種エネルギーの賦存量は、多くが全国において上位であり、その積極的な活用は、自立的な地域運営の仕組みづくりにとって、大きな強みとなります。

国内外の移住者などを引きつける北海道の魅力

北海道には、豊かな自然に触れながら、自分や家族との時間を大切にできる生活を求め、首都圏などから、移住や二地域居住をする人が増加しています。

また、環境学習、都市間交流、スポーツ合宿など、一定期間滞在する地としての側面もあります。こうした人たちが、北海道の魅力に触れ、北海道のファンとなり、いつしか、北海道のまちづくりの担い手や応援団となる可能性に着目することも大切です。

「北の住まいるタウン」のめざす姿

北海道の優位性が活かされ、地域特性に応じ、安全・安心で暮らしやすく、資源循環が進んだ効率的な都市構造を有する、誰もが安心して心豊かに住み続けられるまち・地域

誰もが安心して心豊かに住み続けられるまち・地域づくりに向けて、広域に分散しているまち・地域を有し、一次産業を基幹産業とする北海道においては、単なる一極集中によるまちのコンパクト化ではなく、地域の特性を踏まえ、地域毎に生活の拠点をつくりながら、まちをコンパクトにしていく取組が考えられます。

そして、拠点同士を交通でつなぐとともに、拠点を活用して生活を支える機能やサービスを充実させることにより、住み慣れた地域に住み続けることができる環境を整え、その地域に豊富に存在するエネルギーや、豊かな自然環境、魅力ある食や観光資源などの地域の様々な資源を活用することで、地域の自立的な運営が促進され、安全・安心な暮らしの質の向上、コミュニティの再生、地域産業の振興、雇用の創出につながっていくことが考えられます。

わたしたちは、人口減少や超高齢化など、これまで経験してこなかった新たな時代の到来を迎え、持続可能なまちづくりのために、人々の暮らしをどのように未来へつないでいくか、多様な主体の知恵やノウハウを集結し、多岐にわたる様々な課題の解決に向けてチャレンジしていく姿勢が問われています。

「北の住まいるタウン」の目指す姿を表した図。この図の直前に、図の内容を詳細に説明したテキストが配置されている。
「北の住まいるタウン」の目指す姿