地域ぐるみで環境保全や環境教育を進める
上勝町の基本情報
- 人口:1,452人
世帯数:755世帯
面積:109.63平方km
( 令和4年2月1日現在 )
取組の掛け算
- 脱炭素化・資源循環
脱炭素化・資源循環の仕組みづくり
- 暮らしやすさの向上
産業福祉
ゼロ・ウェイストの精神を上勝から世界に
上勝町ではかつては野焼きをしており、その後焼却炉を導入したがダイオキシンの問題があり、民間業者に焼却処分を委託した。それが町財政を圧迫したため、ごみそのものを減らす方向に方針転換し、2003年には日本で初めてゼロ・ウェイスト宣言をした。日本の自治体の平均リサイクル率は20%であるのに対し、現在の上勝町のリサイクル率は81.1%である。
2020年には複合施設「上勝町ゼロ・ウェイストセンター<WHY>」がオープンした。ゴミステーションとリユースのためのショップ、交流施設、ホテルから成る。町にごみ収集車は走っておらず、町民は生ごみをコンポストで堆肥にし、それ以外はゴミステーションで45種類に分別する。ごみを減らすため大手メーカーとも協力し実証実験なども行っている。
葉っぱビジネスで健康寿命が伸びる
上勝町は面積の88%が森林で、林業の衰退後、農業が盛んとなりみかんが主要な農産物であった。しかし1981年、大寒波でみかんの木が枯れ大打撃を受けた。その後、高齢者や女性でも活躍できる仕事がないかと1986年に開始したのが「葉っぱビジネス」である。
町の畑や山で栽培している葉っぱをつまものとして販売。軽くて高齢者でも収穫しやすい上、毎年安定した収穫量が見込まれる。農家はパソコンやタブレット端末で確認できる「上勝情報ネットワーク」から情報を得て、全国に出荷している。産業福祉とも称されるが、やりがいや収入増が、健康寿命の延伸や高齢者医療費の行政負担の低減にもつながっている。
-
環境と共生したサスティナブルツーリズムの取組
2018年にSDGs未来都市にも選定された上勝町では、SDGs研修ツアーやサスティナブルツーリズムの取組を行ってきた。一般のお客様向けのほか、ゼロ・ウェイストや葉っぱビジネスなどの取組がなぜブランドになり得たのか、新しい価値の創造や課題解決のヒントとして役立ててもらうために、企業の研修や修学旅行生を対象にプログラムを提供している。コロナ禍にあっても、町長や事業所のオーナー、農家への直接インタビューなどを交えながら、オンラインでも事業展開している。