暮らしやすさの向上にあわせた掛け算のヒント
地域住民の防災意識を高める
標津町の基本情報
- 人口:4,915人
世帯数:2,343世帯
面積:624.69㎢
( 令和5年3月1日現在)
取組の掛け算
- 暮らしやすさの向上
防災教育の充実
安全・安心
- 暮らしやすさの向上
高校の存置対策
こども園から高校まで10年に及ぶ地域循環型防災教育
標津町は洪水や大雪、高潮の被害を受ける恐れのある地域だが、防災の講演会や訓練を行っても防災意識が高い参加者しか集まらない状況であった。そこで、若いうちからの教育が重要ということで、高校の特色を知って欲しい教育委員会・人材育成を図りたい高校・行政の思いが集まり、学校教育の中での防災教育が始まった。こども園から高校に至るまで、10年に及ぶ「地域循環型防災教育」である。高校生が防災リーダーとなって出前防災授業でこども園や小中学校、また大人にも防災研修を実施し、世代間交流や地域コミュニティの強化にもつながっている。
標津町オリジナルHUGの作成と被災地研修
標津高校では令和2年に、内閣府と防災科学技術研究所主催の「防災教育チャレンジプラン」のメニューとしてオリジナルHUG(避難所運営ゲーム)を作成した。避難所である高校の図面を用い、融雪洪水や標津川の氾濫などを想定した標津町特有のストーリーとなっているため、自分ごととして捉えやすい。
また、標津高校生は東北地方への被災地研修にも行き、小中学校の防災授業で研修報告をしている。これらの取組は令和3年度防災まちづくり大賞消防庁長官賞等数々の受賞をしてきた。
防災教育で生徒の能力や主体性、高校の魅力を高める
一連の活動を通して高校生は小中学校の児童生徒の防災意識の向上に貢献するとともに、高校生自身の防災意識の向上、当事者意識の醸成、資料収集・まとめ・プレゼンなど課題解決能力の向上といった効果が見られた。
また、生徒数が年々減少していた高校にとっても、中学生が高校生の活動を身近で知り、高校の魅力を感じることにより、存置対策の一翼を担うこともにつながっている。